J-ROCK LIVE NETLIVE REPORT > THE YELLOW MONKEY( ザ・イエローモンキー )

1999.12.28   @日本武道館
THE YELLOW MONKEY - メカラ ウロコ・10

セットリスト
  1. RAINBOW MAN
  2. マリーにくちづけ
  3. I CAN BE SHIT,MAMA
  4. Subjective Late Show
  5. Fine Fine Fine
  6. ROCK STAR
  7. See-Saw Girl
  8. 球根
  9. 創生児
  10. Hotel宇宙船
  11. Heart Break
  12. イエ・イエ・コスメティック・ラヴ
  13. 熱帯夜
  14. 審美眼ブギ
  15. Foxy Blue Love
  16. SLEEPLESS IMAGINATION
  17. JAM
  18. BURN
  19. 東京(おそそ)ブギウギ
  20. アバンギャルドで行こうよ

    - アンコール 1 -

  21. LOVERS ON BACKSTREET
  22. シルクスカーフに帽子のマダム
  23. SUCK OF LIFE
  24. 悲しきASIAN BOY

    - アンコール 2 -

  25. バラ色の日々


The Night Snails And Plastic Boogie / THE YELLOW MONKEY

<収録曲>
1. Song For Night Snails
2. Subjective Late Show
3. Oh! Golden Boys
4. Neurtic Celebration
5. Chelsea Girl
6. Unpleasant 6th Avenue
7. This Is For You
8. Foxy Blue Love
9. Pearl Light Of Revolution
10. Romantist Taste
11. Walkin' In Sunshine


jaguar hard pain / THE YELLOW MONKEY

<収録曲>
1. SECOND CRY
2. FINE FINE FINE
3. A HENな飴玉
4. ROCK STAR
5. 薔薇娼婦麗奈
6. 街の灯
7. RED LIGHT
8. セルリアの丘
9. 悲しきASIAN BOY
10. 赤裸々GO!GO!GO!
11. 遥かな世界
12. MERRY X’MAS


smile / THE YELLOW MONKEY

<収録曲>
1. Smile
2. マリーにくちづけ
3. Love Communication
4. サイケデリック・ブルー
5. See-Saw Girl
6. 争いの街
7. エデンの夜に
8. イエ・イエ・コスメティック・ラヴ
9. ヴィーナスの花
10. “I”
11. Hard Rain
12. 嘆くなり我が夜のFantasy
13. 熱帯夜


BURN / THE YELLOW MONKEY

<収録曲>
1. BURN
2. LOVE LOVE SHOW(English Version)
3. BURN(Instrumental)
メカラウロコ・10
  いつもより早く武道館に着いた。人がとても多いような気がする( ライヴ後、規制退場を促していたから多分いつもより詰め込んでいるのだろう )。風は穏やかだが、やはり真冬、メモリアルチケット交換の列に並んでいると体がどんどん冷えてくる。

■

  ようやく会場に入ったのは開演時間を過ぎてからだった。ステージはとてもシンプルな構成で、恒例の「メカラウロコ楽団」( オーケストラ )の気配はない。今年は趣向を変えたらしい。
  僕なりの解釈で言うと96年は「jaguar hard pain ,I shall ( プチ )Return」、98年は「Welcome to グラムロックナイト」という印象があるが、さあ果たして今年は一体…。

  「愛の賛歌」に続いて会場に流れたのは「死ね死ね団のテーマ」。そして真っ暗な闇の中、ステージ奥のスクリーンには脳の映像が浮かぶ。いやな予感がする。脳裏に「FIX THE SICKS」が蘇る。やはりオープニングは「RAINBOW MAN」。EMMAはダブルネックギターを抱えている。HEESEYのベースのボディはきれいなミディアムアクアマリンだ。
  もしかして『SICKS』中心?『SICKS』があまり好きではない僕は少しだけ落胆するが、その後の展開はその予想を裏切る。

  音が響き、メンバー登場すると会場が沸く。演る側にとっても観る側にとってもけして短いとは言えない9ヶ月の空白を一瞬にして埋めるとは、さすが「ライヴバンド」THE YELLOW MONKEY。
  座席の関係上か、音はこもっているものの金属音が機関銃のように身体に突き刺さる。

  吉井和哉は、赤の三揃えに黒のシャツ( 後に「今日はEMMAのコスプレです」と笑っていた )、EMMAは白の三揃えに赤いシャツ、HEESEYは黒とシルバーの派手なスーツ、ANNIEはベストを素肌に着て、薄茶の革パンツ。ちなみにANNIE以外は髪型がほとんど同じだ。

  ステージ両脇にそれぞれホーンセクションと、女性コーラスがスタンバイする。「今年はゲストを呼びます。有名な人じゃないけど(笑)」と言っていたのは彼らのことだったのか。
  懐かしい「マリーにくちづけ」が始まる。ライヴで聴くのは初めてだ。メンバーの衣装やホーンで昔のTV映像( LIVE yあたりのライヴ映像 )がフラッシュバックする。音がこもっていてホーンセクションの音がよく聞こえないし、アルバムにもホーンセクションは入っていなかったが、確かにこういう構成に違和感のない楽曲ではある。後に演る「See-Saw Girl」や「イエ・イエ・コスメティック・ラヴ」など『smile』からの楽曲は同様だ。

  「久しぶりです!また年末に武道館で演れて嬉しいです。」というMCを挟みライヴが進む。「FINE FINE FINE」「ROCK STAR」もjaguarの雰囲気ではないけれど懐かしい曲だ。

  ギターソロの前に「( ♪ )シタガミジカイ  エ〜マ〜ちゃ〜ん」とEMMAを紹介する「See-Saw Girl」もノリがいい。( でもEMMAちゃんの舌は短いんじゃなくて、厚いんだよ。 )ギターリフがアルバムと違っていたのはこのあたりの曲だったかなぁ…。

  そんなEMMAのギターは、聴いたことのないメロディーを奏で始める。「何?書きためた新曲?」会場も少し戸惑っているよう。「もしかして花吹雪?」と少し期待するが、吉井和哉曰く「千年紀最後の球根」( 「Foxy〜」も「JAM」も千年紀最後と言っていた。と言うことは明日は演らないんだな?絶対だな?絶対に演るなよ。 )だった。ある時期からラストの「花」を「ふな」と発音しているのがとても気になる。あえて重苦しい雰囲気をぶち壊そうとしているのか?

  「個人的なことなんですが…この前イメージチェンジをしました。イメージチェンジしたものの…もののけ姫(笑)…「カッコ悪い」と非常に評判が悪く…。今日はストレートパーマを当てて来たんだけど、会場入りしたとき「EMMAさん、おはようございます」と言われました(笑)。」
  「3月にツアーが終わって、休みとかもらってたんだけど、いろんなとこから心配されまして。「死んでんじゃないのか?』とか(笑)。曲作ってました。今日はそれを持ってきました。では新曲「ミレニアム」…」会場がどっと沸く。音と音名の合っていない即興曲を歌い始めて会場を笑わせる。
  「では、本当に新曲です」と演奏が始まるが、いよいよアヤしい雰囲気になってきた。またギャグなんだろう…と思っていたら本当にちゃんとした新曲( Heart Break )だった。古臭い感じがイエローモンキーらしい楽曲だけど、本当にアヤしげなイントロだった。

  赤い照明がステージを照らし「熱帯夜」。「( ♪ )真冬の夜は君が欲しい」と歌うのを聴いて、97年にメカラが開催されなかった時「真冬の夜も君が欲しい」とここ( 前のサイトのコラム )に書いたことを思い出す。
  ギターソロの間、ドラムの横にいた吉井和哉が「( ♪ )頭は身体を…」のフレーズを歌うためにEMMAに駆け寄ってきたのが印象的だ。

  ホーンセクションとコーラスの紹介の後、「その昔、四畳半の…キッチンのついた部屋で曲を書きながら思っていました。「業界のバカヤロー!!」」から「審美眼ブギ」へ。2コーラス目はホーンセクションがメロディーラインを演奏し、ステージ向かって左にかたまった吉井和哉、EMMA、HEESEYと対抗しているように見える。

  「Foxy Blue Love」、間髪入れずにタンバリンを受け取り「SLEEPLESS IMAGINATION」。奥のスクリーンにはリアルタイムな映像と交互にPVの映像が映し出される。「LOVERS ON BACKSTREET」でも昔の映像が流れていたが、おそらく「ロンドンブーツ・ナイト」からの映像だろう。僕は「SLEEPLESS IMAGINATION」の映像だけ持っているが、メンバー全員が若い( 化粧も濃い(笑) )。あ、でもHEESEYだけはあんまり変わってないかな。

  「年末はやっぱりこれを演らないと…。」と笑いながらアコースティックギターを弾き始める吉井和哉。「今日は誰に歌ってもらおうかな〜」と節をつけながら、メンバーを見回しANNIEを指名。踊りながら花道を行ったり来たりして歌い終えたANNIEに「メンバーなんだから歌えて当然」と労をねぎらう様子はない。
  続いて指名されたのはホーンセクションの1人。マイクスタンドが高すぎて、マイクを取るときに少し手間取っていた。5人いた中で一番背の低い人ではあったが、恐るべし巨人バンド(笑)、イエローモンキー。「歌詞を知らないから…」と彼はサックスでメロディーを奏でる。演奏後、EMMAが拍手をしていた。
  最後に三国さんが指名される。やはりマイクスタンドが高すぎる。後ろにいるメンバーよりも小さく、本当に人形のように小さな三国さん。歌詞を飛び飛びで歌い終え、マイクを戻そうとするがなかなかマイクがスタンドにはまらず、諦めて床に置き、定位置に戻る三国さんに吉井和哉は「マイクくらいちゃんとつけろ、馬鹿、じじい!」「もう3回目なんだから歌詞くらい覚えろ、馬鹿、じじい!」と悪態をつき、会場を笑わせていた。

  アンコールは、「僕たちの始まりの曲です」と「LOVERS ON BACKSTREET」で始まった。

  「この武道館で初めてコンサートが行われたのが、僕の生まれた1966年に来日したビートルズだったんだよね、その後、子供心にここでライヴを演りたいと思い続け、ここを目指してきたと言っても過言ではないんだ。」と語り始める吉井和哉。「戦争中、ここは兵士が天皇を守るための砦だったんだ。」とシビアな話題に触れると会場が静まりかえる。「そんな場所で楽しいコンサートが出来るというのは、今、幸せなことなんだ。」と、忘れかけている今の平和への感謝。

  「そんなことを踏まえて聴いてください。セカンドから「シルクスカーフに帽子のマダム」」。戦争に引き裂かれた二人の哀しいラヴソング。メカラ6ではおどけた前振りで始まったこの曲がまったく違う雰囲気になる。
  胸が締め付けられるような切なさから一転、「SUCK OF LIFE」が始まると会場も沸く。いつもは吉井和哉とEMMAが絡む箇所では、EMMAとHEESEYがリフトに乗り、北スタンドの2階席の前へ。ライヴ中、メンバーの後ろ姿しか見られない観客へのせめてものサービスなんだろう。

  「バラ色の日々」はライヴ初披露。一生懸命歌う吉井和哉の表情を見ていると胸にこみ上げるものがあり、「ああ、これがイエローモンキーだなぁ」とやっと思える。

  THE YELLOW MONKEYのライヴにしては珍しく「楽しい」ものだった( けして賛辞ではない )。前半戸惑ったものの、「熱帯夜」あたりで、"ああ、こういうものなんだ"と理解してから「楽しく」なった。
  数曲を除いては、演っている楽曲は「THE YELLOW MONKEY」だが、ステージに立っているアーティストは別に「THE YELLOW MONKEY」でなくてもいいような、全体的にそんな感じを受け、僕は少し複雑( イエローモンキーじゃないような…でも今になって思うと、逆にこれがイエローモンキーらしいような気もしなくはない…。 )な気持ち( 受け取り方は人それぞれ。「何を期待して武道館に来たか」によって変わるだろうから )。
  あえてこじつけるなら「THE YELLOW MONKEY、バンド結成10周年、楽しみまショー」ってところか。一杯ひっかけてくればより一層楽しかったかもなぁ…と不謹慎なことを考えてしまった。
  全体的に歌っている最中のおどけたお茶目な振りと、かなり真面目なMC( 数カ所除く )のギャップが一段とすごい…というのが印象的。

■

  終演後、迎えに来た弟が「武道館ってけっこう音が漏れるんだね、MCは何言ってるか分かんないけど、最後に演ったの新曲でしょ?」と言う。なるほど、そうなんだ。外にいたことなんてないからな。弟はさらに言う。「外でさ、100人くらい( 友人に後から聞いた話だともっといたらしい )の人が聴いてたんだよ。それで曲が終わると拍手してるんだよ。あの人たちこそ本当のファンなんだなぁって感動しちゃったよ。僕は彼らに惜しみない拍手を送る。」と、ライヴとはほとんど無縁の弟は本当に感動した様子で、運転をしながら何回も繰り返し言っていた。
  その「本当のファン」って言うのは素直に頷けない( ファンに「本当」も「嘘」もない )が、この寒空の下で聴く気合いは「本物」だと思う。

1999.12.30
THE YELLOW MONKEYの音源をチェック!



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