時の葬列
AUTO-MODが自らの解散を前提に企画したシリーズギグ。83年12月20日( 新宿・ACB )から始まり、構想がどんどん膨らんで約2年に及んだ。並行してMADAME EDWARDA( マダム・エドワルダ )が「ダンス・マカブル」、パイディアが「デス・ダンス」という企画を主宰して、その頃の音楽シーンの現状を打破しようとしていた。85年11月3日の<第13夜>( 東京・後楽園ホール )がファイナルとなる。G-SCHMITTやMADAME EDWARDA、SADIE SADSの他に、アレルギー、ソドム、あぶらだこなどが参加。
第1夜 83.12.20 ACB
第2夜 84.01.21 ACB
第3夜 84.03.04 ACB
第4夜 84.04.23 ACB
第5夜 83.6(7?).23 ツバキハウス
第6夜 84.09.02 AUTO-MOD出演せず
第7夜 84.10.20 ACB
第8夜 84.10.21 ACB
第9夜 日本青年館
第10夜
第11夜 九州
第12夜 85.10.23 近鉄小劇場
第13夜 85.11.03 後楽園ホール
同タイトルのアルバム「時の葬列」もSMSからリリースされている。
時の葬列
<収録曲>
A-1 時の葬列 ( A )
A-2 GLAS BRUCH ( S )
A-3 Kの葬列 ( G )
A-4 プリンセスリータ ( M )
B-1 PAIR DOG ( S )
B-2 カソリック ( G )
B-3 LOW ( M )
B-4 Wondering Child ( A )
( A )…AUTO-MOD ( S )…SADIE SADS ( G )…G-SCHMITT ( M )…MADAME EDWARDA

G-SCHMITT
( ゲーシュミット )
83年4月結成。紅一点のSYOKOがボーカルの4人で構成される。幻想的で神秘的な曲が多く、ニューウェイヴ系の中でも一線を画し、もっとも注目すべき若手バンドとして名が挙がっていた。88年に解散。その後、SYOKOはソロで活動。主な作品は
「Modern Gypsies」、「sin, secret & desire」、「gArNeT」、「Icaros Descending」、「STRUGGLE TO SURVIVE」、「Sillage」など。
メンバーはSYOKO( Vo. )、K( G. )、Taka( B. )、Tamaho( Dr.)。
SADIE SAD
( サディ・サッズ )
82年10月結成。初期の頃はスライドを使用したライヴを展開していた。ヘヴィなサウンドとビジュアルでインパクトがあった。
メンバーはSad( Vo. )、Hidemi( G. )、Kazumi( B. )、Kaneko( Dr.)、Takeshi( Slide & Effect )。

デストピア ( Deathtopia )
AUTO-MODのメジャーデビューアルバム。サウンドコラージュアルバムと称される通り、旋律の美しい楽曲( A-1,A-3,B-3,B-4,B-7 )、旋律のない楽曲( A-6,A-8,B-2 )、ボイスパフォーマンス( A-2,A-4,B-2,B-5,B-6 )で成り立っている。レコーディングメンバーは、GENET( Vo.+ Piano + Percussion)、布袋寅泰( G. + Percussion + Keybord + Linn Drum )、渡辺貢( B. )。またボイスパフォーマーとして演劇舎蟷螂の大鷹 明良氏と美加里(理)嬢らが参加している。アルバムジャケットは暗闇の墓地で棺の前に潜むGENETと貢氏。
Deathtopia / AUTO-MOD
<収録曲>
A-1 Requiem
A-2 神々の恐れ
A-3 Out of the Darkness
A-4 Genemanium
A-5 Smell
A-6 Chaos Cosmo T
A-7 悪魔のささやき
A-8 Chaos Cosmo U
B-1 Dangerous Communication
B-2 Chaos Cosmo V
B-3 Legacy
B-4 Sadistic Dream
B-5 疑問
B-6 寓話
B-7 Deathtopia
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僕の手の中には、バーボンハウスから帰った夜に、フライヤーに記載されていたスタック・オリエンテーションに電話をして買った「D-9」というチケットが1枚。ただ、それだけで良かった。もう一度だけ、AUTO-MODのライヴが観られる。
この第12夜は時の葬列のいわばセミファイナル。バーボンハウスのライヴ後、レコードを探したがなかなか手に入らず、結局この日のライヴもほとんど楽曲を知らぬまま観ることになる。

これから世紀末キャバレーと化す近鉄小劇場。420席しかない小さなホールだ。ステージもあまり広くなく、イスも簡単な造り。
会場にはすでに客が集まっている。かなり動揺している自分がいる。さすがにニューウェーブ系のおシャレな人が多く、モッズのライヴで見かけるようなパンクスはいない。
ステージセットは意外と無機質だ。もっとデコラティブなものを想像していたのだが。おそらくAUTO-MODの甘美で頽廃的な音がその飾りつけをするのだろう。
僕の席はちょうど中央やや左側で、前に座席がなく、ほとんど最前状態。

一番手を務めたのはG-SCHMITT。
この日のSYOKOは発熱のため、元気がない。長いスカートを翻し、懸命に歌う姿が痛々しい。客席の反応は今一つ。それぞれが自分の席で、聴いている感じだった。確か「カソリック」や「FAREWELL」を演ったんじゃないかな。
続いては、SADIE SADS。このシリーズに参加していたバンドの中では、音がハードコアパンクっぽく異色だ。ボーカルのSadは、髪を立て、ギラついた目で歌っているが、パンクバンドとこういうホールってなんか違和感があるな。客席も少しいい感じになってきたが、暴れる奴は少ない。
そして、AUTO-MOD。オープニングアクトは、『デストピア』に参加した大鷹 明良氏らが所属する「演劇舎蟷螂( とうろう )」のメンバーで構成されたバジワークシアター( で、あってるのかな )。ところどころ聞こえてくる「生け贄」、「儀式」という言葉と会場の冷たい空気に鳥肌が立つ。ステージから撒かれた水飛沫が僕の席まで飛んでくる。
AUTO-MODの登場と共にステージ前には人が押し寄せ、異様な雰囲気に変わる。1ヶ月前に体験した幻想空間が目の前に広がる。GENETが「ラスト2曲!」と告げたと同時に僕も思わずステージ前へ走っていた。
もう記憶は風化してしまったので、ほとんど思い出せない。多分「レクイエム」や「メッシーナ」や「デストピア」や「サディスティックドリーム」や「フレンズ」や「世紀末キャバレー」を演ったんじゃないかな( 思いつくまま羅列してどうする・笑 )。
何かを葬るための儀式だった筈なのに、何も葬ってはこられなかった。幕の下りたステージに伸ばしたこの手は何を掴もうとしていたのだろうか。もうじき消滅してしまう夢?

この時はまだ、タイトルを知らない楽曲ばかりで、日記にもセットリストが残っていない。ライヴレポートじゃなくて、ちょっとしたメモということで。
第13夜はライヴビデオが手元にあり、そこには神々しいまでのGENETのライヴパフォーマンスが。バジワークシワターが参加し、演劇的要素の強い演出の中、壮大なセレモニー( 儀式 )を取り仕切る神官のようなGENETと、淡々と演奏をこなす楽器隊。
GENETが全裸の女優と絡む「Cannibal of Love」では他のメンバーのテンションが上がりすごい演奏になったとか( 参考資料:L'IMAGE Vol.3 )。
『時の葬列・終末の予感』 <最終夜> 「聖体拝受伝説」
1985.11.03 ( Sun ) [ 後楽園ホール ]
- Kingdom
- Out of the Darkness
- Friends
- Eternal Theater
- 世紀末キャバレー
- メッシーナの悲劇
- Smell
- Cannibal of Love
- Sadistic Dream
- Love Generation
- The Life
- 破壊へ
- Identical Nightmare
- TABULA RASA / タブラ・ラサ
- TO THE CHILDREN / 子供達へ
- 時の葬列
- Carnival
- LIGHT / 解放への道
- デストピア
- EESTANIA / イースタニア幻想
- レクイエム

いずれのバンドも「時代が早すぎた寵児たち」って感じがするんだけれど。難解なコンセプトや「死」や「終末」や「頽廃」という世界観や白塗りって、いつの時代も敬遠されがちなファクターなんだろうか。
音楽って、単に聴いて楽しくてライヴでノレる…だけではなく、コンセプトを読み解いたり、歴史( バンドの歴史じゃなくて、世界の歴史 )を調べたり、歌詞の裏側をいろいろ想像する、ライヴ演出が非日常的で異次元に迷い込んだ時間が味わえる…ということも、また1つの楽しみ方なんじゃないかと思う。
2003.12.19
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